学力向上の仕組み

学力向上のカギは「かかわり方」

当塾は、特殊なカリキュラムや、独自の授業メソッドを持った塾ではありません。
生徒たちの学力を伸ばす最大の要素は「大人からの関わり方」にあると考えています。

すべての子どもたちは、自ら学ぶ力を持っています。
それを自然に伸ばせるように支援することが、私たちの大きな役割です。

何が子どもの学力を伸ばすのか

少し難しい、学習科学のデータを扱っています。興味のある方はクリックしてお読みください。

〈参考〉
ここでは、「相関係数」が登場します。
相関係数とは、2つの要素の関係の強さを示す数値です。-1~1の幅で算出されます。

(簡易的な解釈方法として載せています。ご了承ください)

学力向上との相関が、特に強くみられる要素の例

①相関0.75「授業のわかりやすさ」
 当然ながら、授業がわかりやすいかどうかは、学力に大きく関わります。これは特に学年が上がるにつれて影響も大きくなることがわかっています。

②相関0.72「先生・生徒間の良好な関係性」
 好きな先生の授業は聞きたくなるものです。先生からの高圧的な態度や不適切な指導は、関係性を悪化させ、学力向上を阻害します。

③相関0.69「メタ認知方略」
 メタ認知とは、自分の認知(学び)の状態を客観的に把握しコントロールすること。すべての学習活動の土台になる力とも言えます。

学力向上との相関において、注意が必要な要素の例

①相関0.38「学習時間」
 学習成果を、生徒の学習時間(学習量)と安易に結び付けてしまうのは、指導者の怠慢であると言わざるをえません。(ただし、弱いながら相関があることも事実です)

②相関0.29「宿題」
 特に学年が下がるほど影響も小さくなり、小学生では宿題と学力向上の相関は「ほぼゼロ」もしくは「逆効果」であることもわかっています。

③相関0.12「学力別クラス」
 むやみに「学力別」「習熟度別」とすることは、固定的学力観のもとになってしまうなど、注意する必要があります。

データの出典と注意事項

主に、こちらを参照しております。学習科学の教科書的な書籍であり、信頼に足るメタ分析データですが、学習科学は更新され続けています。最新の情報ではありません。

学力を正しく伸ばす4ステップ

学力を効果的・継続的に伸ばすには、重要な4つの段階があります。

図のように、心の状態を土台として丁寧に積み上げることで、初めて効果的に学力を高めることができます。

参考資料

教育効果を可視化する教育科学』『学びのための積み木』等複数の資料をもとに、独自作成

「宿題」の効果とリスク

強制的に宿題を課していく学習指導は、4段階目の〈学習量〉を増やすことが目的です。

ただし、その過程で心理的安全性や自己主導性が損なわれ、「やってもやっても伸びない」という状態に陥ってしまうことが多々起こります。

段階1.心の安全を確保する

脳は、心理的安全のもとでうまく働く。

「脳の司令塔」前頭前皮質
〈役割〉
・重要な情報に意識を向ける
・適切な思考や推論をする など、学習における様々なはたらき
★前頭前皮質は、心理的に安全な状態で活発に働くことがわかっています。

現在の小・中・高校生をとりまく環境には、様々な心理的危機が存在します。

対人関係のストレス、比較されることや叱られること、テストや受験への緊張感、などなど。
このような状態で、効果的に脳を働かせることはできません。
子どもたちは、自分の心の安全のもとでこそ、学びに集中することができます。

心理的に安全な空間とは?

心理的に安全な状態とは、どのようなことでしょうか。

理不尽な扱いをうけたり、怖いおもいをしない。
理解してくれる人、味方になってくれる人がいる。
誰かにしっかりと話を聴いてもらえる。
勉強ができる自分も、できない自分も、同等に価値があると思える。
食事や睡眠などの健康的な生活が大切にできる。

…など、安心して学びに向かえる状態をつくることです。

寺子屋もくもくでは、特に〈追い詰めない〉〈他者と比較しない〉ことを大切にしています。

塾は「わからない」と言うための場

どんなに簡単なことでも、「わからない」と言って責められることはありません。

・わからないことは、何度でも質問しましょう。
・質問のタイミングを気にする必要はありません。
・どんなに基本的なことでも、不安なことはすべて聞きましょう。

これが、当塾での質問のポイントです。

段階2.自己主導性を育む

学習意欲を伸ばす4つの要素

勉強のやる気を高める要素として、下図の4要素が大切だと言われています。

これらの4要素を満たし、正しく学力向上の段階を上がっていくための仕組みで指導を行っています。

塾で「受け身」になると学力は伸びない

・決められたカリキュラムに沿って勉強するだけ
・決められた宿題を毎日こなすだけ
のような「受け身」の学習になってしまうと、どんなに時間をかけても学力はなかなか伸びません。

当塾では、コミュニケーションの中で「自ら学ぶ力」を育んでいきます。
自ら学ぶ力をつけた生徒は、次第に、塾なしで伸びていけるようになります。

内省(振り返り)を促すコミュニケーション

「今、自分に必要なことは何か」をしっかり考えてもらいます。

・今日は学校で何を習った?
・この単元は、自力で解けそう?
・前回の内容はもう1度練習しておく?やらなくてよさそう?
・今回の定期テストの結果についてどう感じている?
・もっとこうすれば良かったと思うことはある?

これらのコミュニケーションは、内省の力を高めていきます。

自己決定を促すコミュニケーション

学習内容や宿題が、先生から指示されることはありません。自己決定を繰り返し促すことで、学ぶ力を育みます。

・今日は何が勉強したい?
・この教材とこの教材、どっちがいい?
・今日はここまで進めて、次回の授業でここをじっくり取り組む感じでどうかな?
・次回塾に来るまでに、家で復習しておきたいことはある?

当然、「今日は教室長と何も話さなかったな」という日はありません。
コミュニケーションの中で芽生えるものこそが、将来まで役に立つ学力だと考えています。

段階3.正しい学び方を知る

正しい「学び方」を伝えます。

これまでの学習でうまくいっていないことは、良い方法を知らなかっただけかもしれません。

例えば、漢字の覚え方。
漢字の苦手にはおよそ3つのタイプがあり、タイプごとに良い方法が異なります。

塾では、「勉強方法チェックシート」などを利用して、これまでの勉強のクセを改善しながら、正しい方法で学ぶ力を身につけられます。

頑張った成果をしっかり記録・蓄積します。

塾での毎日の学習は記録シートに蓄積し、いつでも振り返ることができます。
記録をもとに、次の目標やプランニングにつなげていきます。

学習記録を適切につけていくことは、やる気や自信が高まるだけでなく、メタ認知能力の向上につながります。

段階4.必要な学習量を確保する

最後の段階が、学習量です。
1~3段階をしっかり積んでいくと、多くの場合、量を増やすことに労力がかからなくなります。

①量を増やさなくても伸びるタイプ

毎日、学校に行って授業を受け、学校の課題をこなす。これだけでも、本来は十分な学習量です。
多くの生徒は、塾でさらに量を増やす必要もなく、自然と学力が向上します。

②家庭学習が自然に始まっていくタイプ

塾で学び方が整ってくると、誰から言われるでもなく家庭学習が始まることも多々あります。
これも、生徒自身のコントロールによって、適切な学習量に調整されていきます。

③本人の希望のうえ、塾から宿題を出すタイプ

生徒自身が「〇〇を身につけるために、家での学習を指示してほしい」と望む場合、塾から宿題を出すこともあります。
本人の希望と学習状況に合わせて最適化した課題をこなすことも、必要な学習量に整えるための良い方法になります。