公立高校入試まで、およそ1週間になりました。
試験本番でお子様がしっかりと力を発揮できるよう、保護者の方にお願いしたいことをまとめました。
「大丈夫」を伝える。
入試前、言動には表れなくても、本人の心は不安でいっぱいになります。
保護者の方はどっしり構えて、「大丈夫だよ」と伝えてあげてください。
ポイントは3つです。
①「きっと」や「たぶん」をつけない。
「大丈夫だよ」と言われると安心できるのに、「きっと大丈夫だよ」と言われると不安になります。不思議なものです。
②心配の横取りをしない。
保護者が、本人の人生のことを本人以上に心配している。
そんな状態のことを、発達心理などでは「心配の横取り」と言ったりします。
心配の横取りをされると、自分の人生を歩んでいく力が弱まってしまいます。
③アドバイスをしない。
受験の経験がある大人は、つい「これをするといいよ」「これに気をつけなさい」とアドバイスしたくなるものです。
アドバイスを受けると、自己効力感が弱まります。
本人から聞かれたこと、求められたアドバイスだけを示してあげてください。
健康的で、居心地の良い生活を守る。
人が何かに挑戦し、前に進んでいくためには「帰る場所」が必要です。
成功しても、失敗しても、安心して帰って来れる場所。
頑張った自分も、頑張れなかった自分も、等しく認めてもらえる場所。
それがあれば、難しいことへも果敢に挑戦できるものです。
①いつも通りの生活を守る。
いつも通りの生活をつくるのが、家族にしかできない役目です。
特別なことをしてあげる必要もありません。
急なカツ丼もいらないですし、家の中での本人の役割がある場合(家事の手伝いなど)は、変わらずに続けてもらうのがおすすめです。
②未来の話をしたり、変化を伝える。
受験前、本人の脳内は「目の前のこと」や「受験が終わったらやりたいこと」に支配されます。
視野を広げて、未来の話をしたり、ここまでの本人の変化を伝えてあげてください。
高校に入ったら、やってみたいこと。楽しみなこと。
(ただし、第一志望の高校でやりたいことを話しすぎると、プレッシャーになる場合があります)
保護者の方の視点で、本人が1年前から比べて成長したこと、頑張ったこと。
前夜や当日の朝、「頑張って」と言わない。
入試勉強において、頑張るのは前日まで。
当日まで頑張ろうとすると、余計な力が入ってしまいます。
受験会場へ出発するお子様に、「頑張って!」と言わないであげてください。
力を出し切るのに必要なのはリラックスです。
①いつも通りの言葉で
「頑張って」じゃなければ、何と言えばいいですか?
と、質問をいただくことがあります。
いつも通りの言葉でお願いします。「行ってらっしゃい」や「気をつけてね」などではないでしょうか。
②本人が弱いこと、苦手なことを強調しない。
「あなたは、大事な日に限って寝坊するんだから」と言うと、本当に寝坊します。
「あなたは緊張しやすいタイプだよね」と言うと、本当に緊張します。
直前にかけられた言葉が、イメージとして残り、本番のパフォーマンスをつくります。
③受験は勝ち負けではないし、他の受験生はライバルではない
入試のシステム上、他の受験生と点数を競い合うという側面は確かにあります。
ただ、「勝たなければ」「ライバルを負かさなければ」というマインドで受験に向かうのは、単身で敵地に乗り込むようなもの。当然、リラックスして実力を発揮することはできません。
受験は勝ち負けの場ではなく、受験勉強のエンドロールです。
他の受験生は、同じ高校を志望して頑張っていた仲間です。
実績もない、評判もない、こんな小さな学習塾に大切なお子様の受験を預けていただき、本当にありがとうございます。
受験での成功を大義とする塾ではありませんが、受験当日まで、そして受験後も、精いっぱいの指導をさせていただきます。
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