〈タイプ別〉漢字・英単語の覚え方

英単語や漢字を覚えるのが苦手!という人のために、暗記のポイントをまとめました。自分の苦手タイプがわかると対策しやすくなります。ぜひ参考にしてみてください。

暗記のための、2つの鉄則

以下の2つは、すべての人に通じる、あらゆる暗記のポイントです。

①テスト効果を利用する

「テストした知識は、頭に残りやすい」という現象のことを、学習科学で『テスト効果』といいます。
何度も書いたり、何度も見るより、自分でテストをしてみるのが良い方法です。

実際のテスト用紙は必要ありません。
問題集や単語カード、英単語リストの日本語訳を隠して使うなど、テストのように頭を使う勉強法を工夫してみましょう。

②時間をあけて繰り返す

いちど覚える → しばらく時間をおく → 覚えなおす → 時間をおく …

という反復が大切です。
時間をあけて繰り返すこと(およそ5回くらいの反復)によって、脳が「この情報は大切みたいだな」と判断し、強く記憶します。
あける時間は1~2時間でも良いですが、一晩以上あけるのがおすすめです。寝ている間に、脳が情報を整理してくれます。

自分の苦手タイプを把握する

漢字や英単語は【音】+【形】+【意味】

漢字や英単語は、【音】+【形】+【意味】の組み合わせで知識が構築されます。

漢字や英単語を覚えるのが苦手だと感じる人は、3つの要素のうちどれか1つ~2つがうまくインプットできていない可能性があります。
まずは、自分の苦手タイプを把握することから始めましょう。

ここから、タイプ別の特徴を紹介します。
(ただし、これは自分で判断するのが難しいです。できればテストの答案などを先生に見せて、判断してもらうのがいいでしょう。)

【音】が苦手な人の特徴

(英単語)
・書けるけど読めない単語がある
・『station』⇒『steition』 のように、ローマ字の感覚で書いてまちがえることが多い
・『three』⇒『there』のように、つづりの順番を入れかえてしまうことが多い

(漢字)
・書けるけど読めない漢字がある
・『取捨選択』⇒『捨取選択』のように、熟語の中で順番を間違えることが多い
・『利益』⇒『利』のように、「読みは違うけど意味が似ている漢字」を書いてしまうことが多い

【形】が苦手な人の特徴

(英単語)
・『ninth』⇒『nineth』のように、余計な母音を入れてしまうことが多い
・『important』⇒『inportant』のように、似た音の別の文字を書いてしまうことが多い

(漢字)
・線が1本少ない、余計な点を書いてしまうなど、ちょっとした形のミスが多い
・書き順をあまり意識していない

【意味】が苦手な人の特徴

(英単語)
・単語を覚えるよりも、熟語を覚える方が苦手に感じる
・ひとつの単語対して、ひとつの意味だけを覚えるようにしている
・『interesting』と『interested』のような、形も意味も似ている単語が苦手

(漢字)
・『申請』⇒『伸請』/『持つ』⇔『待つ』など、似ているけど意味が違う漢字を書いてしまう

苦手タイプに合わせた学び方

自分のタイプがわかったら、それに対応する学び方を身につけましょう。

【音】を正しくとらえる

必ず、読みかたから確認する

読みかたのわからない漢字、発音のわからない英単語を、そのまま練習してはいけません。
必ず、読みかたを最初に確認し、声に出してみることから始めましょう。

音読はとにかく大切

文系科目を伸ばすための最大のポイントは「音読をさぼらない」です。
漢字や単語の書き取りは、音読しながらやりましょう。

アルファベットで区切らない/なるべくローマ字読みをしない

『dog』を『ディー・オー・ジー』のように覚えるのはやめましょう。
『station』を『スタティオン』と覚えるような方法は、最初のうちは仕方ないですが、なるべく減らしていきましょう。

【形】を正しくとらえる

息つぎを減らす

ためしに、下の熟語をノートに書き写してみてください。

鸚鵡

ちなみに「おうむ」と読みます。
続いて、この英単語です。

anthropology

人類学、という意味だそうです。書けましたか?

ここで、振り返ってください。
書き写しながら、この画面を何回確認したでしょうか。

学校で、先生が板書したことをノートに写すことは多いでしょう。
このとき、板書に目をもどす(顔を上げる)動きを、水泳になぞらえて『息つぎ』といいます。

もちろん、この回数は少ない方が良いということです。確認した回数が多ければ多いほど、熟語や単語のかたまりが頭の中でバラバラになってしまいます。

息つぎせず、ノートにもぐる

理想的な書き写しは、『潜水』スタイルです。

まず、板書をしっかり見て、ひとかたまりで頭に入れる。
息つぎせず、一気にノートに書く。
最後に顔をあげ、正しく書けているかを確認する。

覚えたい情報を書き写すときは、常にこの意識を持っておきましょう。
形をとらえるための工夫は、これだけでOKです。

【意味】を正しくとらえる

使ってみる

意味を正しくとらえるには、とにかく使ってみることです。

漢字を覚えたら、その漢字を使う熟語と、その熟語の意味をしらべる。
英単語を覚えたら、その単語が入った例文を音読する。

できれば、自分で例文を考えて作ってみるとカンペキです。

単語 ⇒ 意味 の練習をする(英単語)

いきなりつづりを正確にを覚えようとせず、まずは「英単語を見て、日本語の意味を答える」の練習をしましょう。それをしばらく繰り返した後なら、つづりも覚えやすくなります。

部首の意味を知る(漢字)

上で例にした、『持つ』⇔『待つ』。これは、『持つ』の部首が手へんであることに注目すると覚えられるはずです。

他にも、混ざりやすい「しめすへん(ネの形)」と「ころもへん(ネに点をうつ形)」なども、意味はまったく違います。
ころもへんは、布や衣服、重なり・繰り返しに関係のある部首です。「袖(そで)」「裸」「複数」など。
しめすへんは、神様や宗教に関係のある部首です。「神社」は両方がしめすへんですね。

そのうえで、ある程度の回数は書いて覚える

以上のような工夫をしたからといって、1回で覚えられるわけではありません。
ある程度は、書いて覚える努力をしてみましょう。

これまでは10回で覚えていたものが、5回くらいで覚えられるかもしれません!

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