「定期テスト勉強」と「受験勉強」がどのように違って、受験のためには何をすれば良いのかをまとめていきます。
これを知っておけば、何年生のいつからでも、受験の対策ができます!
※高校受験・大学受験共通の内容がほとんどですが、異なる部分には注記を入れています。
※推薦型の受験についてはここでは割愛します。
受験勉強の目的=入試の合計点
受験勉強の目的はもちろん、入試の合計点を高めることです。
STEP1 得意・不得意を知る
「定期テストでの得意・不得意」と「入試での得意・不得意」は、一致しないこともあります。
模擬試験などを通じて、自分の現状を把握します。
STEP2 方針や目標の設定
国公立の学校なのか、私立の学校なのか
偏差値で言うとどのレベルを目指すのか、などを設計します。
STEP3 戦略的な学習バランスや取捨選択をする
苦手科目をどこまで伸ばすのか、入試で使わない戦略をとるのか?
得意科目を活かすためにはどうするか?
といった戦略を練ります。
これらは、STEP2で設定した方針によって変わります。
受験勉強のゴール=脳内に、知識のネットワークをつくること
定期テスト勉強は、試験範囲内の知識をただ詰め込むだけでも対応できます。
それに対して、受験勉強は、知識を整理してつなげていくこと(ネットワーク化)が必要です。
以下、高校受験を例にしますが、大学受験も考え方は同じです。
LEVEL1:3年間ぶんの基本知識が整理されている状態。
まず、下のような問題が解けることを目指します。
例(理科)
新生代の化石を、選択肢の中から全て選べ。
例(数学)
下の図の立体の体積を求めよ。
偏差値にすると40くらいです。
このために、必要な知識を整理して頭に入れます。
下のような図を頭の中につくるイメージです。

LEVEL2:単元を横断して、関連事項がつながっている状態。
次に、下のような問題が解けるようにします。
例(理科)
実験①~③をもとに、物質A~Dを判別せよ。
例(英語)
会話文の空欄に適する英文を書きなさい。
(指定語句:have)
偏差値にすると50くらいです。
このために、単元を横断しながら、知識のつながりをたくさんつくっていきます。これが「ネットワーク」です。
頭の中が、下の図のようになっていきます。

LEVEL3:知識・解法を複合的に組み合わせて問題が解ける状態。
仕上げ段階として、下のようなタイプの問題が解けるようにします。
偏差値で60前後~それ以上のイメージです。
例(英語)
関係代名詞と間接疑問の形が融合した並べ替え問題
例(数学)
関数の座標をもとに三角形の面積を求め、それを回転させた空間図形の体積を求める問題
例(社会)
気候区分と旧地名をもとに都市を判別し、適した人口ピラミッドを選択する問題
頭の中には、様々な知識のネットワークができあがり、どの知識でもすぐに取り出して活用できる状態になっています。
LEVEL4:特色検査を受検する場合
神奈川県公立高校の「特色検査」を受検する場合、
〈科目を横断しながら知識・解法を複合的に組み合わせて問題が解ける状態〉をつくります。
受験勉強に有効な教材=入試過去問
受験勉強は、主に3段階の教材で進んでいきます。
第1段階:単元別の演習教材
各科目、単元ごとの演習ができる問題集などを活用し、知識の小型ネットワークをつくります。
ここで使う教材は、目次を見ると下のようになっています。
1章 be動詞の文
2章 一般動詞の文
3章 助動詞
4章 現在進行形の文 …
第2段階:出題形式別の演習教材
単元を横断した出題形式で演習し、知識の大型ネットワークをつくります。
ここで使う教材は、目次を見ると下のようになっています。
1章 リスニング問題
2章 適語を補う問題
3章 並べ替え問題
4章 会話文の問題 …
第3段階:入試形式の演習教材(=入試過去問)
入試過去問などを活用し、情報のネットワークをさらに活性化しつつ、問題を解く順番や時間配分などの得点力戦略を身につけます。
受験勉強のメリット=総復習と進学準備
受験勉強のメリットとして、志望校への合格可能性が高まることだけでなく、知識の総復習ができる点があります。
忘れていた知識、身についていなかった単元が明確になり、それを復習をすることになります。
中学から高校、高校から大学に進学するにあたり、次の学びにの準備が整うと言えるでしょう。
受験勉強をしなくても受験ばできる
「学び」と「受験勉強」
「学び」とは何でしょうか。
習った通りに知識を詰め込むことを、私は「学び」とは感じません。
本当の学びは、新しい発見によって心が動いたり、本当に興味のあるものを追求したり、自分の価値観が更新されたり、世界の見え方が変化したりすることではないでしょうか。
受験勉強はあくまでも「得点を高めるための戦略的な練習」です。
また、高校受験・大学受験をするにあたり、受験勉強をすることは絶対ではありません
卒業直前まで、クラブ活動などに全力を投じるのも良いでしょう。それも、今しかできない学びです。
周りが受験勉強をしている間、科学や哲学や文学の本を読み漁るのも良いでしょう。それも素晴らしい学びです。
受験勉強のプロセスにも、たくさんの学びがある
受験勉強のプロセスには、大切な学びがたくさんあります。
目標を立て、その達成のために必要なことを考えたり、先生に聞いたりして、残り期間を考えながら逆算的に計画を立て、ときに目標や計画を修正しながら実行していくこと。
嫌いな科目にどうしてもやる気が出なかったり、家に帰るとついスマホを眺めてしまう自分と向き合い、本当はどうしたいのか、どうすれば良いのか考えて、身近な人に手伝ってもらったりしながら、自己コントロールの力をつけていくこと。
これらも、素晴らしい学びです。
寺子屋もくもくは「自ら学ぶ力をつける」塾。
どんな学びでも、どんな受験勉強でも、必ずサポートしていきます。
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